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レーザ加工機とは?できることや注意点を解説

レーザ加工

2023.7.20 2024.3.28

さまざまな業界で活躍しているレーザ加工機は、データを用意するだけで簡単・正確に加工ができるため、導入を考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、これからレーザ加工機を導入しようとお考えの方に向けて、レーザ加工とはどのようなものなのか、何ができるのか、導入のメリットや注意点などを解説します。導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

レーザ加工機とは

レーザ加工機とは、レーザ光線を使って多様な素材を簡単に加工できる機器です。金属やアクリル、ガラス、木材、石材、紙、革など加工できる素材が多様なため、さまざまな業界で導入されています。レーザ加工の原理としては、発振器から発せられたレーザ光線をミラーに反射させたのち、集光レンズを通して素材に照射するという流れです。素材に触れずに加工できるため、加工の際に押さえつける力が小さくても問題なく、変形する心配がありません。細かい部分をピンポイントで加工することもでき、刃物や切削器具などでは難しい加工が可能です。断面の仕上がりがきれいで、短時間で品質の高い加工が大量にできる点や直接素材に触れないため、刃物などとは違って部品の劣化がない点が優れています。

レーザ加工機でできること

多様な素材に対応できるレーザ加工機は、木材や石材の加工、工業系の教育機関、医療機関などさまざまな業界で活躍しています。ではレーザ加工機でできる加工にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここではレーザ加工機でできることについて解説します。

切断

レーザ加工機ではあらゆる素材を切断することが可能です。データを使って加工を行うため、刃物などでは難しい複雑な形でも素早く簡単に加工できるメリットがあります。レーザ光線による熱を使って切断するため、素材によっては断面に焦げができることもあるので注意が必要です。切断加工を行う際には、素材の種類や厚さなどによって出力を設定したり、レーザ加工機を使い分けたりすることでより品質の高い加工ができます。

溶接

レーザ加工の溶接はレーザ光線によって素材を溶かし、接合する加工です。溶接加工では、電気的現象を使ったアーク溶接を利用する場合が多いですが、レーザ加工はアーク溶接に比べて溶接する範囲を細かく設定でき、局所的な溶接ができます。特徴は接合部の歪みが少ない点と融点の違う素材でも接合できる点です。

マーキング

レーザ加工機では文字やロゴなどをマーキング(刻印)する加工も可能です。対象物の表面を焦がす・剥離する・酸化させる・削る・変色させる加工により、マーキングを行います。

レーザ加工のマーキングは「マスク方式」と「スキャン方式」の2種類です。それぞれについて解説します。

マスク方式

マスク方式のマーキング加工は、マスクと呼ばれる型にレーザ光線を面で照射して、マスクを通過した部分が印字される仕組みで、同じマーキングを行いたい時に向いている加工方法です。短時間で高解像度のマーキングができる点で優れていますが、印字する内容ごとに型を用意する必要があるため、手間とコストがかかります。

スキャン方式

スキャン方式は点でレーザ光線を照射する印字方式です。発振器から発せられたレーザ光線をスキャンミラーで向きを調整して、素材に印字します。マスク方式とは異なり、型が必要ないため、データがあれば加工が可能です。マーキングの速度や解像度は、レーザ光線の出力・直径・スキャンミラーの反応速度などが関係します。レーザ加工機を選ぶときには用途に合ったものを選ぶことが重要です。

彫刻

レーザ加工機は素材を深く彫り、立体的な彫刻を行うことが可能です。レーザ光線の出力や速度を調整することで彫刻の深さに変化がつけられるため、細かい加工ができます。彫刻の場合にも素材によっては焦がしてしまう可能性があるため、加工する素材の耐熱温度の確認が重要です。

表面加工

表面加工は金属などにレーザ光線を照射して、素材の性質改善を行う加工です。レーザ加工機の表面加工のなかでも代表的な「焼入れ」「合金化」「クラッディング」の3つについて解説します。

焼入れ

焼入れは素材を熱して、冷めるときに表面に焼入れができる加工です。通常の焼入れは素材を熱した後、水や油で冷まします。しかし、レーザ加工の焼入れはレーザ光線を当てた表面が800度以上の高温になるため、素材と周りで大きな温度差が生じ、水や油で冷ますことなく自然に冷めるのを待つだけで焼入れが可能です。レーザ加工での焼入れには短時間で歪みの少ない加工ができるというメリットがあります。

合金化

レーザー加工の合金化は素材に金属の粉末を乗せ、レーザ光線で溶融させることで素材と金属を混ぜて合金層を作る加工です。金属の粉末にはタングステンやモリブデンが多く使われています。

クラッディング(肉盛り)

素材に全く異なる金属素材をレーザ光線で接着し、2つ以上の素材が合わさった複合素材にする加工です。合金化と似ていますが、クラッディングは添加材の形を表面に形成するため、母材に浸透する割合が合金化に比べて少なくなります。

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レーザ加工機を導入するメリット

さまざまな素材を加工でき、加工の種類も多岐にわたるレーザ加工機。実際にレーザ加工機を導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここではレーザ加工機を導入するメリットについて解説します。

非接触加工で素材を傷つけにくい

レーザ光線が刃物などの代わりになるレーザ加工機は、素材に直接触れることなく加工が可能です。素材に触れる刃物などの加工では、加工中に素材が動いてしまわないように固定する必要があります。レーザ加工でもある程度は固定する必要がありますが、素材に直接触れないため固定する力が小さくて済み、変形の心配がないでしょう。

小ロットの加工に対応できる

データがあれば加工ができるレーザ加工は、基本的には加工のために型を用意したり、加工のたびに設定を大幅に変更するなどの手間がかかりません。そのため1つなどの小ロットの加工にも柔軟に対応ができます。

レーザだからできる加工がある

レーザ加工の特徴の1つに再現性の高さが挙げられます。レーザ加工ではデータの通りに加工できるため、刃物などを使った加工よりも複雑な切断や彫刻が可能です。例えば切断の場合、刃物を使うよりもバリの発生を抑えられるため、切断面がきれいに仕上がります。このようなレーザだからこそできる加工がある点もレーザ加工機を導入するメリットでしょう。

簡単にセットアップ・操作ができる

レーザ加工機の操作には専門知識や技術は必要ありません。金属の加工などには通常であれば型が必要になりますが、レーザ加工は基本的にデータがあれば加工が可能です。加工内容ごとの型の入れ替えがなく、操作も簡単でセットアップにも時間がかからないため、レーザ加工機を導入することで作業の効率化も期待できます。

メンテナンスの手間が少ない

日々のメンテナンスがレンズなどの清掃のみで済む点もレーザ加工機を導入するメリットです。レーザ加工では素材に接触することがないため、部品を消耗しません。刃物などを使っていれば、加工機周りの清掃のほかに刃のメンテナンスや消耗したときには交換も必要です。交換するにもコストがかかるため、ランニングコストを抑えることもできるでしょう。

レーザ加工が難しい素材もあるので注意

さまざまな素材を加工できるレーザー加工でも加工し辛い素材があります。それは「鏡・鏡面加工がされたもの」「塩化ビニールが含まれているもの」「人体に有害な物質が発生する素材」の3つです。レーザ加工機を導入する際には、メーカーに問い合わせる等、注意しましょう。

鏡・鏡面加工がされた素材

鏡や鏡面加工がされた素材は、レーザ光線が反射して、機械内部を破損させて故障の原因になる場合も。ただし、裏面が鏡面でない場合には加工が可能です。レーザ光線が反射しないように、鏡や鏡面加工がされた素材を加工する際には向きなどに注意して行う必要があります。

塩化ビニールが含まれた素材

塩化ビニールだけでなく塩素を含む素材はレーザ加工ができません。塩素を含む素材にレーザ加工を施すことで、人体に有毒なガスが発生してしまう可能性があります。また、ガスが内部の金属部分に付着するとさびの原因になることもあるため、加工する素材に塩素が含まれていないか確認しましょう。

人体に有害な物質が発生する素材

塩素のほかにも、フッ素やテフロンなど人体に有害な物質が発生する素材は加工ができません。有害物質の発生の有無は素材メーカーや安全データシートで確認することができます。レーザ加工をする前に、素材の安全性を必ず確かめてください。

難しい素材でもレーザ加工は可能

このような加工が難しいとされている素材でも、レーザ発振器の種類を変更したり、真空チャンバーの中でガラス越しに加工するなどで対策可能です。

加工可否の判断でお困りであれば、弊社へお問い合わせください。

まとめ

レーザ加工は金属やアクリル、ガラス、木材、石材、紙、革などの多様な素材を簡単に加工できる便利な機械です。加工の種類も切断、溶接、マーキング、彫刻、表面加工と幅広いためさまざまな業界で活躍しています。加工の幅が広がるだけでなく、作業の効率化も期待できるなどメリットも多くあるレーザ加工機の導入を検討してみてはいかがでしょうか。導入する際には、加工したい素材が加工可能かどうか、必ず確認するようにしましょう。

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